中学受験の戦略
中学受験算数専門のプロ家庭教師・熊野孝哉の公式サイト
低学年の頃に現在の神奈川県公立高校の入試システムの話を耳にし、中学受験をすることに決めました。元々器用なタイプではなく苦手意識のある副教科があったことや、本人も家族も内申点を意識せずに中学校生活を送ることを望んだのが理由です。
低学年の頃は通信教育などで毎日短い時間でもかならず勉強する習慣をつけるように心がけ、小学4年(小3 2月)から大手塾に通い始めました。4年生の頃は週2~3回の通塾でしたが、この時期から長時間勉強に費やしても6年までは続かないと思い、あえてスポーツ系の習い事も週に二回入れて体力作りに努め、空いた時間に集中して復習や宿題をやるように心がけました。入塾時期に関しては色々と考え方があると思いますが、苦手な単元に関しては何度も繰り返すことによってようやく定着したと思いますし、5年での負担を考慮すると我が家にとっては小4から4教科で始めることができて良かったと思っています。
5年生から塾が週4回になり本人の希望で習い事はやめました。家庭学習は塾の復習と宿題が基本でしたが、自己管理がまだまだ難しい状況でしたので、テストのふりかえりや苦手な単元の復習には親もかかわり、理解のとりこぼしがないように気をつけました。特に理科は苦手だったので、「受験理科の裏ワザテクニック」など市販の参考書も大変役に立ちました。
この頃から、学校見学などを通していくつか志望校を考えていくようになりました。親子共校風が気に入り、浅野中学を志望校として意識するようになりましたが、この時点では成績は足りていませんでした。
こつこつと努力を続けてきたことにより4年から5年にかけて少しずつ成績は上がってきましたが、志望校に向けてはまだまだという状態で、中学受験に最も大切といわれる算数も特別苦手というわけではないもののミスも多く成績も伸び悩んでいました。
算数に関しては、わからない問題は親も一緒に考えるなどして理解に努めてきましたが、5年の後半頃からだんだん親が教えるのも難しくなっていったため、解説の充実した参考書を探して利用するようになり熊野先生の本を知りました。解法が何種類もありとても分かり易かったため何冊か揃えていく中で、先生が家庭教師をされていることを知り、時期的にはかなりぎりぎり(5年の12月頃)だとは思いましたが、ご指導をお願いしたところ、日程を調整しながらご都合のつく日に月に二回程度来ていただけることになりました。
先生のご指導は分かり易く教えていただけることはもちろんなのですが、時間内に取り組む問題数も非常に多く、しかもきちんと復習できるように解説等も配慮されており、とにかく私のイメージする家庭教師の指導といったものとは全然次元が違うものでした。
以降は塾の単元とは別に先生の指示に従い、ベストチェック、四科のまとめ、応用自在問題集、プラスワン問題集、ステップアップ問題集、そして中学への算数を進めていきました。理解度が難易度についていっていないと思われる時や、スランプの時期などにはより基本的な問題に戻るように、都度先生から指示をいただけたので本人も安心して取り組むことができたようです。
塾でのカリキュラムとは別に、問題集の難易度を徐々に上げながら全ての単元をふりかえることをくり返していくことにより、算数の足腰が強くなったのか、模試での成績が安定してきて大きく点を落とすようなことが少なくなっていきました。
6年の9月以降は過去問もやり始めましたが、第二志望以下の学校については、他の科目では出題内容に大きく点数が左右されることも多かった中、算数が安定した得点源になってくれたので、受験校の選択が楽になりました。
一方で第一志望の浅野は過去問があまり合わず全科目の結果をうまくそろえることが難しくて最後まで本当に苦労しました。
ここ数年で全体的に浅野の問題が難化していて出題が読みづらかったこともあり、先生とご相談して(先生からはずっと浅野を目指すならもっと上を目指さないと…と言われていました。)、ダブル出願しておいて、第二志望に合格をいただけたら、難関校にチャレンジすることに決め、12月後半以降はそちらの過去問を重点的に行いました。
結局、チャレンジ校には合格はできませんでしたが、ずっと目標にしてきた浅野に合格することができました。浅野は今年度は算数がとても難しく全体の合格最低点も低かったので、チャレンジ校の過去問に取り組んだことも合格に向けて良い選択だったと思います。
算数の偏差値は、5年の年間平均がN59でしたが6年の後期の偏差値はN65 に上がりました。苦手の国語と理科の偏差値がほぼ横ばい(微減)だった中、四科の偏差値もほぼR4に近いところまで上げて、浅野に合格できたのは算数の力が大きく、先生のおかげだと思います。
実際に受験を経験してみると、男子の難関校では算数は本当に大切で、算数が苦手でないことが難関校合格の最低条件という感じがします。 また、それと同時に科目バランスも大事で、特に国語は配点も大きいことが多いので苦手なままにしておかないことは大事かなと感じました。
国語については、大手塾の模試は問題数が非常に多く傾向も都度変わるので、あまり模試の偏差値には振り回されずにしっかり過去問でその学校の問題に適応できるようにしておくことが大切だと思います。
また、中学受験は親子の受験といわれますが、特に大手塾に関しては、あくまで生徒全体を見てカリキュラムが組み立てられているため、多くのお子さんにとってはどうしても親の関わりが必要になってくるように思います。
子供は社会が得意だったので、社会は暗記を手伝ったくらいですが、国語や理科の苦手な単元については過去問の振り返りや課題の設定など最後まで親が関わりながら進めていきました。
算数に関しても、塾のカリキュラムでは、男子の上位・難関校では頻出の立体図形の演習量が全く足りずあわてましたが、先生に指導していただき課題を指示いただいて何とか間に合わせました。
過去問の分析や苦手単元の課題設定など、色々大変でしたが、算数は全部先生にご指示いただけたので、とても楽でした。(そして、一番成績も上がりました)
また先生には、算数以外の科目についても過去問での四科目のバランスや目安となる点などアドバイスいただけて、客観的に全体的な戦略を組み立てることができて、非常に助かりました。
うちは第一志望校の過去問が本当にできなくて苦労しましたが、ここ数年算数が難化していたこともあり、熊野先生から「算数の力がついてきているので、問題が難化しているなら(過去問ができてなくても)チャンスはあるはず」と言っていただけてとても励まされました。
子供は、文系の両親の下、算数のひらめきもなく、こつこつ努力するだけでしかここまでやってこられませんでした。欲を言えば、もう少し難問をすぐあきらめてしまわずにじっくり考えたり、自身で苦手分野の問題を取捨選択して積極的に取り組む姿勢があれば、チャレンジ校の合格も実現できたのではないかと思いますが、子供の成長段階を考えるとまだまだ難しいことであり、それも含めての中学受験なのだと思っています。
結局、合格体験記にのっているような「目の色が変わり時間を惜しんで必死で勉強する姿」を最後まで目にすることはできず、終始受け身の勉強姿勢のままでしたが、三年間受験勉強をやり続け、難しい問題についても最後の1〜2ヶ月については一生懸命取り組んでいましたので、本人なりによく頑張っていたと思います。
先生のご指導の元でしたら、もっともっと力を延ばすことができたはずで、その点については十分な成果を出せず、正直申し訳ない気持ちもありますが、三年間の努力が親子であこがれていた学校の合格という形で終わることができ、心からほっとしています。
中学生活は毎日楽しいようで、受験して本当に良かったなと思っています。 中学受験は大変ですが、気に入った学校で内申にとらわれず6年間を過ごせるということは十分に頑張る価値があると感じています。
熊野先生には約一年の間大変お世話になりました。先生は子供のやり方を否定せず、常に分かり易くやさしく前向きにご指導して下さったので、とても力がついたと思います。先生にご指導いただけた我が家は本当に運が良かったと感じていますし、感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございました。
【進学先】浅野中学