中学受験の戦略
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狭いスペースで解く
算数の学習では、途中式を省略したり狭いスペースで(小さい図や字を書いて)問題を解くのではなく、途中式をきちんと書き、十分なスペースでゆったり解くことが評価される傾向があります。
私も生徒の親御さんから、途中式を書かなかったり(書いても)小さい図や字でごちゃごちゃと書く習慣を直させたいという相談を受けることがあります。
ただ私の感覚では、狭いスペースで問題を解く習慣のある受験生は試験に強い(本来の実力通りの結果を出せる)ことが多く、逆に十分なスペースで解いている受験生は、実力の割に試験で力を発揮できないことがあります。
親御さんは狭いスペースで解くことを悪い習慣だと考える傾向がありますが、実は内容を整理して効率的に処理しているからこそ「狭いスペースでも解ける」というのが実情だと思います。
難関校入試では、基本的には狭いスペースで処理できる方が有利になります。実際、私が過去に関わり難関校に合格した受験生は、(当初は違っていても)最終的には例外なく「狭いスペースで解く技術」を身につけていました。
私は、十分なスペースで問題を解く習慣のある難関校受験生には、少しずつ狭いスペースでも解けるように練習してもらいますが、その習慣が定着すると、やはり模試で本来の実力を出し切れないということは減っていきます。
その練習として私が実践しているのは、A4の計算用紙を4分の1のサイズに折り、そのスペースで1、2問を解くという方法です。最初は苦戦しますが、2週間程度もあれば慣れることが多いです。
さらに強力な練習としては、A4の4分の1サイズのスペースで、シャーペン(鉛筆)ではなく黒ボールペン(0.7ミリ程度)で解くという方法も有効です。
シャーペンと違って黒ボールペンだと書き直しができないので、かなり内容を整理しなければ、狭いスペースでは処理できません。逆にそれができるようになれば、非常に高いレベルで内容を整理して効率的に処理している証拠になります。
十分なスペースで解く習慣のある受験生は、それが原因で結果が出ていない可能性もあります。心当たりのある方は、一度、試してみてはいかがでしょうか。
※本記事は、メールマガジン(2018年5月30日配信)の内容を転載したものです。